バイク用サイドバッグの装着方法「ツボのつぼ」
目次
サイドバッグの装着って難しくないですか?
バイク用バッグ御三家といわれるのが「タンクバッグ・シートバッグ・サイドバッグ」。なかでもバイクのシルエットが崩れにくく、荷物の容量もかせげるのがサイドバッグです。バイクのリアカウルに「シュッ」と装着されたサイドバッグは、旅感と実用美があってカッコイイ!
カッコイイ、、、んですが。ツーリングバッグ御三家のなかで、最も装着難易度が高いのがこのサイドバッグです。(純正のサイドバッグは除く)
リアシートに鎮座するシートバッグと違って、サイドバッグはリアシートから「ぶら下がっている」状態なので、いかに安定させるかがキモ。しかも左右を均等にバランスさせないと、走行中にズレてきて、マフラーに当たって溶けたり、最悪の場合はタイヤに接触したりと、なかなかに難しい。バイク乗りのセンスとパッキングスキルが問われます。(ツーリング先でぐにゃっとうなだれたサイドバッグ見たことありません?)
そんな不安を満載したサイドバッグですが、何事にも「ツボ」というのがありまして。「ツボ」さえ押さえておけば後は経験。最初に感じた不安は何処へやら。回数を重ねるほどにガッチリしっかりと形よく装着できるようになります。闇雲にチャンチャンバラバラやって上手にならないのも、むべなるかな。バイク免許取りに行った自動車学校時代を思しましょう。最初は両手足で操作できる気がしなかった・・・全く。
今回はサイドバッグ装着の「ツボ」を、実例をみながらチェック方法もまじえつつご紹介していきます。
※この「ツボ」はドッペルギャンガーのサイドバッグに限らず、他のメーカーさんのバッグでも押せるツボなので是非参考にしてください。
『駄目で危険』なその付け方
マフラーと接触
バッグとマフラーの出会いはいつだって熱い。
サイドバッグのトラブルNo.1は・・・・ダカダカダカダカダカダカダーーダンッ!答えはエンジン・マフラーの熱によるバッグの破損です。「そんなの当然。っていうか装着が下手だったんでしょ?」と云うなかれ。トラブル数の多さが、装着の難しさを証明しているじゃありませんか。
バッグをマフラーで溶かしたなんて、恥ずかしくて大声で言えたものでもありませんが(だって不注意なんだもん)、破損に至らなかったとしても、熱を原因としたトラブルはベテランほどに心当たりがあるものです。
最初から接触しているのはもちろん論外。誰もが気をつけているにも関わらず接触が後を絶たないのは、「走行中にゆるんでいた」から。走行中の振動でバッグが前後左右に動いてしまうと、ベルトのテンションが抜けることがあります。そうすると、出発前にはガッチリ縛っていても、知らない間にバッグから煙が・・・・なんてことに。
タイヤに巻き込みそう
パーソナルスペースって知ってる?
猛スピードで回転しているバイクの後輪。チェーンラインもあったりするので、サイドバッグを装着するにあたってはタイヤ等への接触・巻き込みは、最も心配なんではないでしょうか?
「タイヤに巻き込んで、リアロックして、事故になったらどうしよーーー」分かる心配です。
これもマフラー接触と同様に、走行中にズレてきてタイヤに擦れてしまいます。ゴムが焦げる香ばしい匂いがツーリング中にしたら、停車確認してみるのがいいかもしれません。先輩から「バイクは五感で乗れ」と教えられた筆者です。まぁ、バイクの格言ですね。
左右のバランスが著しく悪い
LとRの微妙な関係。
振り分け式のサイドバッグは、左右のバッグの「自重+荷物の重さ」をまず出来るだけ均等にする必要があります。多少のアンバランスなら、固定ベルトで適切にテンションをかけることで固定することもできますが、不均衡が大きくなると当然ながら走行中のズレも大きくなり、気がつくとこんなことに。。。
左右のバランスのズレは、タイヤへの巻き込み、マフラーとの接触、ウィンカーへ被さるなど、あらゆる装着トラブルの原因になるので、最も気をつけたいポイントです。
排気熱で溶けそうだ
押すなよ?押すなよ?押せよ!!あちーっ!!!!↑
排気の熱でもバッグがずるずるに溶けることがあるってご存知ですか?排気量や気温など多くの条件で異なりますが、エンジンで爆発したエネルギーが仕事としてとりだされた、その残りの一部が排気の熱です。当然、熱い。それはそれは熱い。
大気に排出された熱は急激に拡散するので、排気口から10cmも離れればそうそう火傷するものでもありませんが、出口寸前まで100度前後はあります。この排気がバッグに当たり続けたら・・・
マフラーはもちろんですが、排気熱にもバッグ装着の際には十分な注意が必要です。
ライダーとの干渉が大きい
いや、もうお尻が1mmも動かせない・・・
レインウェア、防寒具、その他ツーリング用品。ツーリングには荷物が必要。必要なのでバッグを付けるわけですが、バッグの装着位置が悪ければ、ライダーの体に干渉します。
「我慢すればいいじゃん。」目的地が近ければそういうのもアリですが、座る位置を制限されてのツーリングは想像以上に過酷です。荷物を蟻塚の様に積み上げて、はみ出た荷物のせいで背筋が「ピン」と伸びた方をたまに見かけますが、なかなかに辛そう。
バッグは必要だけど、そのせいで不要なストレスをツーリングに持っていく必要はありません。もちろん体が当たることで、バッグのポジションがズレるという問題もあります。
サイドバッグ装着の『つぼ』
壱ノつぼ「テンションは3方にかけろ」
サイドバッグとバイクを横から見たとき、矢印のように「3方」からテンションをかけるように意識して装着します。
本例では、上の矢印はリアシート、左の矢印はナンバープレートフェンダー、右下の矢印はタンデムステップステーに固定してます。まず、シートの幅に合わせて左右のバッグを連結してリアシートに載せます。次に前後固定ベルトを装着。その時点でまだ仮固定くらいです。
車体後方、車体左右側面からバッグのポジションが適当か確認・調整しながら、固定ベルトを本締めしていきます。
多少のズレは構わないので、まずは写真の矢印のように「3方」からテンションをかけることで、サイドバッグが安定することを感じてください。この3方のテンションを「できるだけ均等に」かけるイメージで。
弐ノつぼ「左右のバランスを取る」
流石に左右完全対象とはいきませんが、力の限り対象になるようにしましょう。ここでいう「バランス」とは、次の3点。
1.見た目
2.左右の重さ
3.角度
前述の「駄目で危険」な付け方と比べると、格段にしまって見えますね。見た目がしまっているのと同様にベルトも文字通りしっかりと締まっているので、高速道路で大きなギャップを踏んでもバッグはズレません。後ろから見た時の左右の開きも、タイヤ側に垂れることなく、ハの字型に外に開き荷物の重さを支えています。
一回でベルト締め切るのではなく、ちょっとづつ各ベルトを締めていくことで、ポジションの調整がしやすく美しく装着することができます。短気は損気。ちょっとづつです。
参ノつぼ「熱源から十分な距離をとる」
Ninja250は大型バイクと比べると、リア周りがコンパクト。ウィンカーを避けつつ、コーナリングでお尻を動かしやすい様に高めのポジションに固定してます。なので、今回はマフラーから15cmほど距離をとることができました。ただし、高い位置だと固定ベルトのテンションの微調整が必要になってくるので、装着するバイク次第ではこんなに高くなくても大丈夫です。バッグとマフラーの距離は10cm程度を目安にすれば、まず問題ありません。
カスタムマフラーのショート管などを装着している場合は、排気の方向に注意してください。
特に、竹槍マフラーは排気熱以前に「刺さる」ので装着は非対応とさせていただいております。
「つぼ」のチェック方法
1.座ってみる
座ってみて、お尻が自分に必要なだけ動かせるかどうかを確認しましょう。足付きは大丈夫か?あのコーナーでハングオフ出来るのか(?)ツーリング先の自分をイメージして、ライディングの邪魔にならないポジションを見つけましょう。
2.押してみる
上から「ぐーー」っと、力強く押す。前後方向にも、同じく押す。このとき前後の固定ベルトが大きくたわむようなら、さらに調整を行います。
「ツボ」は左右振り分けのダブルバッグでも、方側装着のシングルバッグでも同じ。
製品名:ターポリンサイドバッグ DBT393-BK
製品名:ターポリンシングルサイドバッグ DBT508-BK
まとめ
最後の最後に、最後の「ツボ」です。
自分のバイクと乗り方にあったサイドバッグのポジションを見つけること
バッグを設計するときには、出来るだけ多くの人に使っていただきたくて、汎用性と専用性の間でちまちまとミリ単位の計算をするのですが、ネオクラ、スポーツ、オフ車、カウル付きetc・・・・あれが付いたら、こっちが付かず。こっちが付いたららそっちが。
千差万別縷々流転。
自分のバイクにあったサイドバッグのベストポジション、必ずあるので是非それを見つけてツーリングを楽しんでいただければと思います!
おまけ
筆者の「裏つぼ」をご紹介
多年に渡るサドルバッグ装着研究の成果がこれ。
サイドバッグに限らず、バッグを装着するとバイクから発生する振動で、細かいキズが付きます。必ず。カウル養生用の保護フィルムなどもありますが、経験上あまり役にたった覚えがありません。注意したいのは特に強く接触するカウルの角!
そこで使うのが、写真のアイテム。近所のホームセンターで簡単に手にはいります。
「L字クッション」600円くらい。
「両面テープ」100円くらい。
バッグと接触する角に、長さを合わせて貼る!以上!簡単でしょ?
付けっぱなしにすると、ここだけ色が変わったり、固着したりすると嫌なので、筆者はツーリングの度にL字クッションを貼りなおします。なので、両面テープは100円クラスで十分なのでありました。最後までお付き合いありがとうございます!
“バイク用サイドバッグの装着方法「ツボのつぼ」” への1件の返信
現在コメントは受け付けていません。