バイクで冬を乗り切れ!通勤バイカーが推す厳選防寒アイテム。
耐えて、耐えて、耐え続ける。
厳冬期のバイク乗車は修行なり。
真冬の凍てつく寒さのなか、バイクを乗車している人ならわかってくれるはずのバイクあるある。
顔面が痛い、手が開け締めできない、足の感覚なくなってきた、あぁ眠気がぁ・・・
まるでアルピニストの経験談のような冬場のバイク事情ですが、全てのバイク乗りにとって最も過酷なシーズンであることは間違いありません。
満員電車が苦手でバイク通勤している著者ですが、超がつくほどの寒がりながら、毎年徹底的に防寒対策を講じて冬を耐え抜いています。
今回は冬場にバイクを乗車する上で必要不可欠な「防寒」をテーマに2020~21年度の厳選アイテムをご紹介。すこしでも皆さんの快適なバイクライフに貢献できれば嬉しいです。
冬にバイクに乗るってどれぐらい寒い?
冬場にバイクで走行すると、体感温度ってどれぐらいなのか?
体感温度は温度、湿度、風速から導き出すことができますが”風速が1m増す毎、1度下がる”という情報から、ざっくりと体感温度を調べることができます。
「気温」-「時速」÷「3.6」=体感温度
例えば、気温8度の環境下で時速50kmで走行した場合、体感温度は-6度。
高速道路の利用を想定すると、時速100kmで体感温度は-20度になり、向かい風を受けていれば温度はさらに下がります。
ロングツーリングだと乗車時間も長くなるので-20度を数時間ひたすら耐えるということになり、想像するだけでも身震が止まりません。
バイクに装備する?ライダーが装着する?
そんな極寒の中をバイクで走行するには抜かりない防寒対策が重要となります。防寒アイテムは、ざっくり2種類のカテゴリに分類でき、一つはライダーが身につける防寒アイテム、もう一つはバイクへ直に装備する防寒アイテムがあります。
●ライダーが身につける防寒アイテム
グローブやネックウォーマー、インナーベストといったライダーが着用して防寒するアイテム。やや効果は劣りますが、商品数の多さ、コストの安さ、バイクに乗っていないときでも使えるといった利点があります。
●バイクへ直に装備する防寒アイテム
ウィンドスクリーンやナックルガードなど、ライダーに当たる走行風を防ぎ、寒さと疲れを軽減してくれる、防寒アイテムというか装備。導入コストは高くなりますが、そのぶん効果も高いです。
※取り付けには施工が必要です。
両者共に防寒の目的は同じですが、メリットやデメリットが存在します。
バイク用の防寒アイテムは様々な商品があり、当記事では”ライダーが身につける防寒アイテム”にフォーカスして、おすすめ商品をピックアップしています。
バイクに直に装備する防寒アイテムについては、後日別記事で紹介したいと思います。
電熱という”文明の利器”の効力はいかに?
文明の発達に伴い、電気を使った防寒アイテムが市場に増えてきました。はっきりいってすごく暖かくて、一度体験すると抜け出せなくなります。
電源は専用バッテリーや市販のモバイルバッテリーを利用する充電池バッテリータイプ。バイクの車載バッテリーから直に電源を供給するバッ直(バッテリー直接)タイプに分類されます。
充電池バッテリー タイプ
一つの電熱アイテムに対し専用バッテリーを備える充電池式バッテリータイプは、複雑な配線が不要で単体利用が可能です。ただし電池の消費電力を抑えるために省電力モードに自動で切り替わったり、常に電池残量を気にする必要があるため、寒冷地を長距離走行するライダーには不向きです。
メリット
- 電源コードが邪魔にならない。
- 施工不要。購入後すぐ使える。
- バイクに乗っていなくても利用できる。
デメリット
- バッテリーの持ちがせいぜい2時間程(モードによる)。
- 都度バッテリーの充電が必要。
- 長距離の場合、バッテリーの予備が必要。
車載バッテリー(バッ直)タイプ
高い電熱効果が得られるのは電力が安定するバッ直タイプ。バイクのエンジンが稼働していれば常に電力が供給されるので電池残量を気にする必要がありませんが、バイク乗車時以外に活躍の場がありません。グローブ、ジャケット、パンツ、トゥーウォーマーといった複数の電熱アイテムを一つのバッテリーで補えます。
メリット
- 電力(12V)が安定しているため電熱効果が高い。
- 複数の電熱アイテムの電源供給ができる。
- 電池切れの心配がない。
デメリット
- 有線なので電源コードが邪魔、乗降都度コードの接続が必要
- バイク乗車時以外で利用ができない
- 取り付けに施工が必要
あなたがバイクに乗る目的や用途、その乗車頻度や時間によって、充電池式かバッテリー直か、最適な給電タイプを選択しましょう。
体の部位別。推し防寒アイテム
バイクの乗車で重点的に防寒が必要な体の部位は、首、手、腹、足の4ポイント。各部位の防寒を怠るとバイクの操作に支障をきたすため、重点的に防寒対策を行いましょう。
首周りのおすすめアイテム:
電熱ネックウォーマー
山城 ボディーレギュレーター / 電熱防風ネックウォーマー
手持ちのモバイルバッテリーが使える電熱ネックウォーマー
赤ちゃんのよだれ掛け(スタイ)のような形状が、襟元から入る風をブロック。電熱線によって首元と肩が温められ、寒さによる体の硬直が和らげることで肩こりを緩和してくれます。電源は市販のモバイルバッテリーが利用できます。
フェイスマスク
DAIWA / フーディーウォーマー
泥棒っぽい見た目で、顔全体を徹底防寒。
釣り用品大手ブランドDAIWAのフェイスマスク。極寒地で魚と戦うフィッシャーはバイク乗りと同じく徹底的な防寒対策が必要なため、優れた防寒グッツを多く取り揃えます。生地は薄手でフルフェイスでも着用できます。
手のおすすめアイテム:
電熱グローブ【充電池タイプ】
RACER / HEAT 4
1つのグローブに、2つの充電池が接続可能
様々な電熱グローブが溢れるなかフランスの老舗グローブメーカー「RACER」の電熱グローブは、一つのグローブにつき充電池を2個接続できるデュアル設計を採用。持続時間が2倍長持ちし、バッテリーを多く消費する高温モードも積極的に利用出来ます。
電熱グローブ【バッテリー直タイプ】
Heat Master / 12V Heat Leather Gloves TYPE 1
電池残量を気にしない、バッ直タイプ電熱グローブ
幅広い電熱ウェアをラインナップするHeat Master(旧Heatech)のレザータイプ電熱グローブ。同社の電熱ウェアシリーズ(ジャケット、パンツ、手袋、トゥウォーマー)を組み合わせれば全身を温められ、ゴチャゴチャになりがちな配線もシンプルに収めることができます。
電熱インナーグローブ
めちゃヒート / 電熱ホットインナーグローブ
使い慣れたグローブを電熱化できるインナータイプ
グローブの中に装着して電熱効果がえられるインナーグローブタイプ。手首部分にバッテリーの収納ポケットが備わり、袖の内側まで防寒できます。今お使いのグローブをそのまま利用でき、充電池バッテリーだからバイク以外の用途でも活躍します。
オーバーグローブ
ドッペルギャンガー / バイク用オーバーグローブ
グローブの上から被せるグローブという新しい防寒アイテム
グローブの上から装着し、凍てつく走行風をブロックする防寒アイテム。電熱グローブの上に装着すれば、外気へ熱の放熱をブロックして、電熱の効果を高めます。
今使っているグローブをそのまま使用でき、ハンドル操作の影響も最小限に抑えられます。素材はウエットスーツと同じクロロプレンゴム。厳冬期以外では、春秋のツーリングで予想以上に寒い気温となった際に、予備の防寒アイテムとしても心強いです。
お腹周りのおすすめアイテム:
電熱腹巻き
RSタイチ / e-HEAT USBウエストウォーマー
汎用のモバイルバッテリーが使える電熱腹巻き
お腹周りを温める電熱腹巻き。防寒のために服を着込みがちなバイク乗りにとって、お腹を下すことは致命的。お腹は臓器が集中している場所なので、温めることで体全体の血流が良くなり全身を温めるのに効果的。給電はモバイルバッテリーを利用します。
電熱プロテクター
コミネ / 12Vヒーティングインナーチェスト&バックパッド
安全性も備わるプロテクターを発熱する電熱ヒートパッド
胸と背中のプロテクターに電熱パッドを装着する今までにない電熱アイテム。従来はジャケットに熱線を内蔵した電熱ジャケットが支流でしたが、ライディングジャケットに備わるプロテクターを電熱化してしまったアイデア商材。普段使っているライダージャケットを電熱ジャケットとして利用出来ます。コミネのジャケット以外への互換性は不明です。
インナージャケット
ドッペルギャンガー / ライダーズインナージャケット
ウエットスーツ素材のバイク専用インナージャケット
体の内部に吹き込む風を防ぎ、体温が外気へ流出するのを抑えるバイク乗り専用のインナージャケット。素材はウエットスーツに用いられるクロロプレンゴムを採用。
防寒対策の着込みとして「風を防ぐアウター」「保温の為のミッドレイヤー」「汗を吸収するベースレイヤー」といった重ね着の定番スタイルに「熱を逃さないミッドレイヤー」のインナージャケットを一枚加えれば、隙間風をブロックして保温効果を一層高めます。
生地は最大40%伸縮し、大胆なリーンアウト・リーンインでも生地がグーンと伸びて、突っ張りません。サイズはM、L、XLの3つをラインナップします。
足周りのおすすめアイテム:
レッグウォーマー
ラフ&ロード / プロテクションニーウォーマー
ズボンの上から付けるだけの膝下防寒対策
脚部に受ける風を防ぎながらプロテクションをかね備えるニーウォーマー。足首から膝上までの広域を保護し、ズボンの上から着用するオーバーパンツとは異なり、ズボンの外側から装着するのでごわつかず、脱ぎ着が楽ちんです。
ウォーマーセット
ドッペルギャンガー / 手首足首ウォーマーセット
手首、足首の1mmの隙間を埋めるウォーマーセット。
バイクの防寒対策として、衣類の隙間1mmは死活問題です。ジャケットとグローブ、パンツとブーツの僅かな隙間も許さない手首と足首を守るウォーマセット。素材はウエットスーツと同じクロロプレンゴムで、冷風を通さず、熱を封じ込めます。サッと巻くだけで高い防寒効果が得られます。
電熱アンクルウォーマー
コミネ / エレクトリック ニー&トゥーウォーマー
足の指先と膝の2箇所を温める電熱ウォーマー。
足の指先と膝の2箇所を電熱ウォーマーで温める1台で体の2箇所温めれるセパレートタイプ。充電池バッテリーの収納部の大きなバンドは足首周辺の冷風をブロックしてくれ、脚部で冷える部分をピンポイントで防寒できます。
その他:
ポケットウォーマー
Zippo / ハンディーウォーマー
クリーンエネルギーで環境に優しくバイクユーザーで愛好家も多いハンディーウォーマー。Zippoオイルを触媒燃焼させ、燃焼熱をカイロの熱として利用。最大発熱時間はなんと12時間。オイルに直接火をつけているわけでないので体に引火する心配もありません。燃料はZippoオイルなので燃料が切れそうになったらコンビニで給油できます。
【番外編】いざという時の防寒対策
防寒アイテムを充実させると出費がかさみます。出費を抑えるがゆえ防寒対策が不十分でツーリングに挑んだ結果、寒さにヤラれそうになった緊急時におすすめの防寒アイテムはこちら。とりあえず凍えそうになったらコンビニにダッシュしましょう。
- 使い捨てカイロ
出典:小林製薬
道中のコンビニ、道の駅、ホームセンターなどで購入できる防寒対策のど定番。身体中のポケットというポケットに忍ばせれば電熱アイテム同様の効果が得られます(ただし一時的)。著者の経験上、カイロはすこしでも冷気に触れていると温度が上がりにくいので、下着の外側や、インナーのポケットに忍ばせるのが最も効果的。特に桐灰シリーズの「マグマ」は超がつくほど温かいです(というか熱い)。
- 缶コーヒー
出典:ポッカサッポロフード&ビバレッジ株式会社
自動販売機の”あたたかい”コーナーの缶コーヒー。手がかじかんでクラッチ、ブレーキングに支障をきたしたら、迷わず道中で購入して手を温めましょう。ある程度温まったらコーヒーブレイクでリラックスでき一石二鳥。販売の回転率が低くそうな自動販売機のホットドリンクは、素手でさわれないほどチンチンに熱された缶コーヒーがでてくることがあり、暖を取るには人気のなさそうな自動販売機が狙い目です。
- ボアインソール
出典:株式会社コロンブス
安くて比較的どこでも手に入るボアインソールは足の冷えの緊急対策におすすめ。靴の保温効果を高める目的なので靴下用カイロと併用すると効果絶大。こちらも冬場のコンビニエンスストアなどで入手できます。基本的にサイズフリーなので、ハサミなどでカットする必要がある場合は店員さんに相談しましょう。
これら緊急的な防寒対策はどれも一時的なもの。移動距離が長ければ、寒さに耐えかねて途中で何度も停車し暖を取る羽目になり、無駄な時間を消費してしまいます。真冬のツーリングをトラブルなく快適に楽しむためには出費を惜しまず投資しましょう。
まとめ
厳しい寒さを耐え抜く真冬のバイク乗車。「寒くっても乗る」という不屈の精神は、バイクに乗らない人からすれば理解に苦しむ行為と言えますが、この記事を読んでいただいている人は共感いただけるはず。
空気が澄んでいて遠くまで透き通って見える景色、快適にワインディングできる交通量の少なさ、冷え切った体を温めてくれる道中の温泉めぐりなど、冬にしか味わえない楽しみもたくさんあります。
厳冬期のバイクライフを快適に、ツーリングを目一杯楽しむために、あなたにマッチする防寒アイテムとの出会いを願っています。
今年も厳しい冬が予想されます、寒さに負けず共に乗り切りっていきましょう!