初心者必見。買う前に知っておきたい、ツーリング向きバイクと装備。

結論!!選ぶべきは「自分がカッコいいと思うバイク」。・・・・身も蓋もないですね。ドッペルギャンガーの独自調査では、実に51.7%の人がバイクをデザインで選んでいます。(2位は乗り方、3位がメーカー)なのでこれはもうブッチギリで見た目なんです。

しかし、だからといってそのバイクが万能というわけではありません。今回は「どんなバイクがツーリング向きなのか」「そもそもツーリング向きとは何か」を切り口に、後悔しないバイクの選び方や、ツーリングにもっていきたい道具などを紹介します。


ツーリングに選ぶべき「楽」バイクとは?傾向と対策


そもそもツーリングで疲れる原因とは、大きく次の3つに分けられます。「バイクの振動」「風」「乗車姿勢」。バイクはバランスの乗り物とよく言われますが、私達の体はバイクに乗っている間、ずっとバランスを取り続けています。それは加速に対して上体を伏せるような意識的なものから、風圧を押し返そうとする無意識のものまであり、ツーリングでバイクに乗るということは、細胞レベルから全身運動をしているに等しいわけで、そりゃ疲れて当然なのです。早速、1つずつ見ながら検証していきましょう。

原因1「振動」:ツーリングには単気筒より多気筒エンジン。

まず意外と見落としがちな「バイクの振動」。これはなんとなく想像できると思いますが、一般的にエンジンの気筒数が少ない方が振動は大きくなります。小気味よくビートを刻む単気筒エンジンからは、シンプルな味わいが尽きません。しかし、ツーリングの距離が伸びるほどに溜まる疲労。その点、多気筒エンジンはクランクや2次バランサーによって、単気筒よりは振動が抑えられたものが多くなります。

原因2「風」:ツーリングはスクリーンがあるとスゴ楽。

バイクのデザインを左右するウィンドスクリーン。しかし左右するのは好みだけではありません。「風」によるツーリング疲れが激的に変わってきます。走行による風圧を受けながら、私達がバイクの上に留まっていられるのは何故か?それは、受けた風圧と同じ力で押し返し続けているからです。スクリーンがあればこの力はバイクが肩代わりしてくれますので、その分乗り手はラクをできるということになります。

原因3「乗車姿勢」:窮屈な姿勢はツーリングには不向き。

振動が少なくスクリーンがあってもクリアできないのが「乗車姿勢」。膝の曲がりがキツすぎたり、ハンドルが遠くポジションが決まってくるスーパ-スポーツのポジションは、疲れるに決まってます。パッとまたがったてみたときに、両手足にゆとりがあり、上体がある程度おきているポジションが自然に取れるバイクがオススメ。ハンドルの交換などの調整でなんとかなる範囲ならいいですが、それでもキツい場合は自分の体格に合わせた車種をしっかり選びましょう。


ツーリングおすすめバイク10選


楽しいけど疲れる?ツーリング疲れの3大原因を見てきました。この3つの観点から「後悔しないツーリング向けバイク」をピックアップ!バイク購入前の初心者も、乗り換えを検討しているベテランも、参考にしてみてください。尚、今回は高速道路から市街地走行の通過を想定して、「ツーリング総合力高め」な車種を紹介します。高速巡航だけなら、大排気量メガクルーザー勢の圧勝となりますので・・・今回はツーリング縛りのあえての10選です。※2021/6月時点での現行車から選出

ツーリングバイクその1:SUSUKI Vストローム250 ABS


出典:https://www1.suzuki.co.jp/motor/lineup/dl250rlzm1/
スズキの製品ページには「スポーツアドベンチャーツアラー」の紹介文。スクリーンは小さいが、乗車姿勢にマッチしているので必要十分。並列2気筒エンジンはフラットトルクで長距離向き。リアキャリアもはじめからついているツーリング上手な一台。

ツーリングバイクその2:KAWASAKI Z250


出典:https://www.kawasaki-motors.com/mc/lineup/z250/
スクリーンほど大きくないが、見た目以上に效果のあるメーターバイザーを装備。Ninja250と共用の直列2気筒エンジンは、乗りてを疲れさせないシルキーな特性で、どんな乗り方にも対応してくれるネイキッドバイク。

ツーリングバイクその3:HONDA 400X


出典:https://www.honda.co.jp/400X/
ゆったりした乗車姿勢と、胸の前がほぼ無風になるスクリーン。399ccの直列2気筒エンジンは徹底的な低振動化が図られ、音疲れの原因となるメカニカルノイズも押さえられている。ツーリスト達からは名機の呼び声高いクロスオーバーモデル。キャッチコピーは「大地の風が吹く。」

ツーリングバイクその4:HONDA CB400 スーパーボルドール


出典:https://www.honda.co.jp/CB400SF/
できないことは山登りくらいかと思われる400ccクラスの雄。クラス唯一となった直列4気筒エンジンは高速道路での巡航から、街なかまですべてのシーンをこなせる無二のパワーユニット。もちろん疲れにくい低振動。アッパーカウルから続くスクリーンが大幅に風をカットしてくれる。

ツーリングバイクその5:KAWASAKI Ninja650


出典:https://www.kawasaki-motors.com/mc/lineup/ninja650/
「ファン・スタイル・イージー」をコンセプトにする、快速ミドルバイク。着座位置は前よりで、スポーツバイクな見た目と裏腹にネイキッドに近いツーリングにも適した乗車姿勢。スクリーンをふくめたフルカウルがライダーを風から守ってくれる。パワフルな並列2気筒エンジンは予想以上にフレンドリー。

ツーリングバイクその6:HONDA CBR650R


出典:https://www.honda.co.jp/CBR650R/
600ccクラスの4気筒が減っていくなかで、ツーリングもできるスポーツバイクとして登場したのがこのバイク。目玉は648ccの直列4気筒エンジンだけど、全体のパッケージは十分ツーリングにも適したもの。エンジンのキャッチコピーは「スーパースポーツを予感させる、官能の走りの歓び。」

ツーリングバイクその7:YAMAHA テネレ700


出典:https://www.yamaha-motor.co.jp/mc/lineup/tenere700/
「オンロードも走れるオフロード枠」からはアップライトな乗車姿勢のテネレ700。ヘルメットの下半分くらいまで風を受けにくいスクリーンデザインは秀逸。クロスプレーンコンセプトの688cc直列2気筒はガサガサ感のない、スイートな仕上がりになっている。

ツーリングバイクその8:YAMAHA トレーサー900


出典:https://www.yamaha-motor.co.jp/mc/lineup/tracer900/
引き続きYAMAHAから、直列3気筒のロードアドベンチャー。今回の10台中もっともヘルメットに風が当たらず、ナックルガードも標準装備なので長距離がラクなことこの上なし。キャッチコピーは「この週末が、待ち遠しい。」

ツーリングバイクその9:KAWASAKI Z900RS CAFE


出典:https://www.kawasaki-motors.com/mc/lineup/z900rs/
Z900といいつつ948ccの並列4気筒エンジンは、2次バランサーで振動を押さえてあり、見た目以上にツーリング向き。オシャレさと機能性が高次でバランスしたビキニカウルは唯一。デザインのキャラクターはもっとシティー寄りなんだろうけど、間違いなくツーリングもラクな一台。

ツーリングバイクその10:SUZUKI GSX-S1000F ABS


出典:https://www1.suzuki.co.jp/motor/lineup/gsxs1000fam0/
GSX-R1000をツーリングバイクに仕立て直した、直列4気筒「中身はSS」マシン。高めのバーハンドルでツーリング向きの乗車姿勢が取りやすく、スクリーンの風防效果も十分。低回転からパワーがあるので、ツーリングもラクにこなせること間違いなし。


ツーリング初心者がまず用意すべきもの


さて、ツーリング向けのバイクが分かったとしても、乗る側の装備を間違えていてはツーリングの快適さも大幅減。2輪用品専門のメーカーが出しているものを選びましょう。安全性はもちろんツーリングでの快適性も熟慮されたものが多く、販売を重ねて改良されてきたものが多いのでオススメです。特に見た目だけの安価なウェアなどは避けたほうが無難です。ここではツーリング疲れに関係するバイクウェアを中心に、「後悔しない道具選び」のポイントを見ていきたいと思います。

ヘルメット

出典:https://www.shoei.com/products/helmet/fullface/gt-air_ii/
ツーリング用のヘルメット選びで意識したいのは、「風切り音」「ベンチレーションの效果」「重さ」の3点です。 通常、この性能は上級モデルになるほど上がっていくので、耳へのストレスも少なくなり、通気性も高く、首への負担も軽減されます。加えて、万一の場合は命に関わる装備なので、ここは思い切って高いヘルメットを選びましょう。お店で試着し、ヘルメットアドバイザーに相談するのが吉。

ジャケットとパンツ

ウェアは「バタつき」が少なく、季節に合わせた物を選びましょう。寒い暑いはツーリングの快適さだけでなく体調にも影響します。またバイク用のウェアが一般の街着と比べて「ゴワゴワした生地」で出来ているのは、走行風によるバタつきを減らすためです。ツーリングの疲労軽減につながるアイテムなので、2輪用品専門のメーカーのものがオススメです。

レインウェア

もしあなたがズブ濡れでバイクを走らせるのが嫌なら、ツーリングには是非とも携行したいのがレインウェアです。筆者は経験上、バイク用のもので透湿度が10,000g以上(ゴアテックスの透湿度15,000g)のものをオススメします。透湿度はウェアの中から外へ湿気を逃す性能のことです。夏場にレインウェアを着るとウェアの中が「雨なのか汗なのか」わからないほど蒸れます。しかし透湿度が高ければ中のジメジメ感を格段に抑えることができます。また、寒い場合はウィンドブレーカーとして着ることもできます。

グローブ

他のツーリングウェアと比べると選択の幅が広いグローブ。ツーリングについて一点だけ注意するなら「長時間握っていられるもの」を選びましょう。拳を握り込んだ時、指が締めつけられるようなグローブはNG。フィット感は高いかもしれませんが、圧迫で血流が悪くなってくるのでツーリングには向いていません。春夏用、夏用、冬用と季節に合わせたものを用意しておくと、気温の変化にも対応しやすくなります。

ブーツ

まず、くるぶしまで覆えるものがオススメ。万一の転倒の際に防御力が高いということもありますが、適度にホールドされることで足首の無駄な動きが減らせるというメリットがあります。テキスタイルでも革でも好みで選んで問題ありませんが、特に夏場は通気性の高いメッシュのものを選ぶことで、不快な足の蒸れがなくなり快適なツーリングが楽しめます。


持っておきたいツーリングアイテム一覧


一言でツーリングと言っても、日帰りツーリングからキャンプツーリングまで楽しみは様々。距離や天気、目的によって必要な道具を選ぶのもツーリング技術のうちです。道具を使いこなすことでツーリング楽しみにも広がりが出てくるので、是非色々なアイテムを試してみてもらえればと思います。

ツーリングバッグ

シートバッグ、サイドバッグ、タンクバッグなどの種類があり、容量のバリエーションも豊富なので、自分のバイクに合わせて一つづつ試しながら買い足していくのが良いでしょう。もし最初の一つを選ぶのなら、装着がしやすいシートバッグがオススメ。容量の目安は日帰りツーリングなら容量25Lから30Lあれば十分です。左が30L、中央が24L、右が60L(最大80L)。(容量10L以下のものはレインウェアを入れるとほぼ埋まります。)

ETCとUSBソケット


高速道路の料金ゲートでいちいちグローブを外したくないなら、休日割もあるETCをつけておきたいところ。それと、スマホでルートナビをしている人ならUSBソケットがあると安心です。

スマートフォンマウント

文字通りスマホをマウントするためのアイテム。乗り手から見えるハンドル周りへマウントするものが主流です。スマホだけでなくGoProといったアクションカムなどを「複数持ち」する人も少なくありません。あと、ハンドル周りは意外に装着可能な場所が限られるので、あらかじめ自分のバイクへの装着例を調べておくと良いでしょう。

ツーリングネットとROKstraps(ロックストラップ)

バイク専用のツーリングバッグが無くても、リアシートに荷物を積める伸びるネットと伸びるロープ。非常に汎用性が高く、ツーリングバッグの上に追加の荷物を積みたい時にも活躍する優れもの。

プレートフック

ツーリングバッグを固定するためのフックポイントを増設できる筆者激推しの一品。ナンバープレート下に装着して、シートバッグを後方から引っ張ることができるので、バッグが背中に当たりにくくなります。バイクのリアカウル周りにフックがないなら、ツーリング前に是非準備しておきたいツーリングお助けアイテムです。


おまけ:ツーリングトラブルあるある5選


「自分は大丈夫・・・」と思っていると高確率でやってしまう、数々のツーリングトラブル。教習所で聞かされてはいるものの、実際に遭遇して初めて得心(?)することばかりです。スタンドが埋まってバイクが倒れる、鹿が飛び出す、落ち葉で滑る、日陰に氷がはっていた・・・などなど。そんな中からやると恥ずかしい、「人的ミス」成分多めのトラブル5選をご紹介。

長距離移動後の立ちゴケ

特に高速道路で長距離を走ったあとに発生しやすい症例。自分ではしっかり足を出したつもりが、「あれ?地面が・・遠いっ?」と思うまもなく倒れていく精神的にも辛い立ちゴケ。長時間走行で関節が固まってしまう事が原因です。高速道路のパーキングエリアや、高速道路を降りてすぐのコンビニの駐車上で見られる現象で、特にツーリング日和の天気の良い日に多く発生します。

荷物緩みトラブル

しっかり固定したはずなのに、気がついたらグラグラして今にも崩れそうな荷物トラブル。多くの場合、荷物の中心と引っ張る力の中心がズレている事が原因です。この中心がズレていると、固定ベルトを締めても振動で荷物が動くたびに緩んでしまいます。人間の姿勢と一緒で前後左右から見てできるだけ「中心がズレていないか」を確認しましょう。一度発生するとツーリング中ずっと後ろが気になってしまうので、停車毎にチェックをしておくと安心です。荷物がグラグラしてる危なっかしいバイクを見たことはありませんか?

ディスクロックしたまま発進

今回紹介するツーリングトラブルのなかで、もっとも自己嫌悪に陥るのがこちら。フロントフェンダーが割れる、ブレーキディスクが曲がる、そしてコケる。ロックを外し忘れて発進してしまうと、笑えないレベルの結果が待っています。気持ちよいツーリングでテンションが上がりきるか、疲労困憊した時に発生するので、施錠するときはロックのハズし忘れワイヤーを必ず使用しておきましょう。近縁に「ハンドルロックしたまま発進」というのもあります。

落とし物

バイク用のツーリングバッグやジャケットは、ポケットのフタをファスナーやフラップなどで固定できるように出来ています。なので落とし物の原因のほとんどは「ポケットの閉め忘れ」。特に久しぶりのツーリングでジャケットを新調したりしたときは、いつもと入れるポケットが変わるので要注意です。楽しすぎての「置き忘れ」と合せて気をつけましょう。他人事じゃありませんよ?※筆者は半年前にツーリング中にスマホが飛んでいきました。マジで。

熱中症と脱水症

なるとしばらくは確実に動けなるなる怖い症状。爽快なツーリングが一転して地獄の苦しみ。バイクの場合、停車しない限りは給水もできないため、気がつくと症状が進行してしまっていることも少なくありません。めまい、異常発汗、吐き気、視野狭窄。最悪です。自分は元気だと思っている無自覚な「かくれ脱水」状態から、熱中症に発展することもあるので、意識的な乗車前の水分補給がオススメ。前後の体調管理もツーリングスキルと思って、しっかり対策しましょう。


まとめ


「ツーリング向きとは何か?」をキーワードに、ツーリングにオススメのバイク、初心者が用意すべきウェア類、もっておきたいツーリングアイテムや、ツーリングトラブルを見てきました。どのバイクも装備も、ツーリングを楽しむための特徴を備えていました。日帰りツーリングをはじめ、人気のキャンプツーリングでも重要になってくる、基本の特徴が見えてきたかと思います。冒頭でお伝えしたとおり、万能なバイクはなく、全てのシーンに通用する道具はありません。「自分のツーリングスタイルを探す」のが、ツーリングの楽しさなのかもしれませんね。

最後に最初に戻ります。選ぶべきは「自分がカッコいいと思うバイク」。本記事がツーリングバイク選びの参考になれば幸いです。

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