小径車の走りを変えるチェーンホイール交換のススメ。

小径車は走らない・・・って思ってませんか?

タイヤサイズが20インチ以下の自転車にカテゴライズされる小径自転車(ミニベロ)。タイヤが小さいため自転車の乗り降りがしやすく、折りたたみ機構が備わっていれば小さく折りたたんで室内で保管したり、車にも載せることも出来る。またキャリングバッグに収納して公共交通への持ち込みもできる、非常に実用性の高い自転車といえます。

小径車は街乗りとしての機能面はピカイチな反面、走行性の弱さ、つまり「走らない」というイメージがあります。しかし駆動系パーツを交換するだけで、26インチ自転車と同等の走行性能に改善することが可能です。

ここでは「走らない小径車」を「走る小径車」に改善する、自転車アクセサリーと、その方法をご紹介いたします。

注意:
チェーンホイールの交換は、自転車組立技士等、関連資格有資格者が行ってください。ご自身で作業された場合、乗車前に必ず自転車技士有資格者のいる店舗で点検を受けてください。

 

どれぐらい自転車の走行性が改善できるのか?

自転車の走行性は駆動系の部品、それはタイヤの大きさと後輪とペダルの回転で組み合わされるギア比に影響します。今回は小径車の走行性の改善のためタイヤサイズはそのままに、ギア比を変更することで走行性を改善していきます。

自転車のギア比は、後輪のスプロケット(多段ギア)と前輪のチェーンホイール(ペダルで回転するギア)の組み合わせで決定します。そこでフロントのギアであるチェーンホイールを交換すると実際にどの程度走行性能が向上するのでしょうか。

例えば16インチの小径自転車に48Tチェーンホイール(画像上)の場合、52Tチェーンホイール(画像下)に変更するだけで、ペダル一回転で進む距離は48Tのチェーンホイールの装着状態と比較して「1.083倍」の距離を進む計算となります。


※数値は「理論上」になります。

さらに歯数の多い60Tチェーンホイールに交換した場合、48Tのチェーンホイールと比較して「1.25倍」距離が伸び、さらなる高速走行が可能になります。


※数値は「理論上」になります。

加えて後輪スプロケット(多段ギア)も変更することで、さらに走行性能を向上させる事は可能ですが、スプロケットの交換は難易度が高く、ここではチェーンホイールの交換のみで走行性能を改善していきます。

 

チェーンホイールのラインナップ

走行性を改善する52T チェーンホイールセット。

製品名:52Tチェーンホイール / DC-52M(ブラック)-52SL(シルバー)

ドッペルギャンガーの現行20インチ自転車で標準装備されるチェーンホイールセット。チェーンホイールが大きくなることで、見た目にもインパクトを与えます。色はシルバーとブラックから選択出来ます。

 

さらに高速化を可能にする60Tチェーンホイールセット。


製品名:60T大型チェーンホイール DC-7(シルバー)

鍛造6061アルミニウムで生成されたクランク、チェーンリングに、ポリッシュ加工とサンドフィニッシュを施した高級感が漂うチェーンホイール。

かなり大きめのチェーンリングの為、車種によってはフレームに干渉する恐れがあります。製品ページの寸法図を参考に、装着可能か確認が必要です。

 

チェーンホイールを交換するための条件や必要工具。

大型チェーンホイールは全ての小径車に適合しません。フレームの形状や規格によって装着出来ない車種があります。チェーンホイールを交換する前に、交換対象となる自転車が大型チェーンホイールの装着に対応しているかを確認します。

注意:
このコンテンツではドッペルギャンガーのチェーンホイール交換方法の解説となります。

 

大型チェーンホイールが取り付けできるフレームであるか。

フレーム形状によっては取り付けが出来ない車種もあります。例えばドッペルギャンガーのミニベロ330-Nの場合、フレーム中央にカゴを設ける特殊なフレーム形状なため、標準装備されるチェーンホイール規格でフレームが設計されているため、大径チェーンホイールが収まるスペースがなく、取り付けが出来ません。


チェーンリングとフレームの間隔が狭く、取り付け出来ない車種もある。

チェーンホイール交換の対象となる自転車のフレームの形状や寸法を事前に確認し、取り付けが可能か確認しましょう。

フロントディレイラー(変速装置)非装備車であるか。

チェーンホイールに変速装置を有する自転車は、チェーンホイールが複数のチェーンリングで構成される為、基本的に交換することは出来ません。


チェーンリング(ギア)が複数枚で構成されたチェーンホイール。画像はDOPPELGANGER 202X

ただし変速装置を取り除く事で取り付けることは出来ますが、状況によってはBB(ボトムブラケット)の交換やチェーンラインの調整が必要となるためオススメしません。

 

BB(ボトムブラケット)の規格が対応しているか。

ドッペルギャンガーの大型チェーンホイールはクランク規格に「四角テーパー」を採用します。装着する自転車のBB(ボトムブラケット)が同じ規格でなければ装着が出来ません。「四角テーパー」規格は一般的な自転車(高価なスポーツバイク以外)での採用率が高く、クランクの規格の確認はBBとクランクアームの接続部を見れば確認することが出来ます。


クランクシャフト先端が四角くなっている「四角テーパー」規格。

四角テーパーはカップ&コーンBB、カセットBB、どちらにも対応します。

 

チェーンホイール交換に必要な工具。


左からチェーン切り、ペダルレンチ兼ソケットレンチ、コッタレスクランク抜き、六角レンチ、マイナスドライバー、追加チェーン。

チェーンホイールの交換には、以下の工具が必要です。

  • 六角レンチ
    コッタレスクランクでクランクアームを取り外す際に使用。
  • マイナスドライバー
    クランクのキャップの取り外しに使用。
  • チェーン切り
    チェーンを切断、接続する際に使用。
  • ペダルレンチ
    ペダルを取り外す工具。
  • ソケットレンチ
    クランクアームとBBを固定するボルトを取り外す際に使用。ボルトは取り付け穴の内部に収まる為、ソケット型が必要です。ラチェットレンチだと作業が楽になります。
  • コッタレスクランク抜き
    BBからクランクアーム、チェーンホイールを取り外す自転車専用工具。
  • 追加チェーン
    取り付ける自転車と同じ規格のチェーンを用意する。

 

チェーンホイールの交換方法の解説

チェーンホイールの交換方法を動画で解説しています。

 

追加チェーンのリンク数の数え方、目安、追加方法について。

チェーンホイールの交換と同時に、チェーンを延長する必要があります。チェーンのリンク数の数え方は下図の通りです。

追加で必要なチェーンの長さは、増えた歯数の分だけリンク数を増やすのが目安(42Tから52Tであれば10リンク)ですが、正確には使用するスプロケットやディレイラーによって異なります。

また、追加でチェーンを増やすのではなく、チェーンを交換されることをおすすめ致します。適正なチェーンの長さについて、くわしくは交換用チェーンに付属の取扱説明書をご確認ください。

チェーンの追加方法動画解説

 

まとめ

タイヤが小さい理由で走らないレッテルを貼られる小径自転車ですが、駆動系のパーツを改善することで、26インチ自転車に引けを取らない走行性能を得ることが出来ます。

小径車はコンパクトで保管に場所も取らなから、室内で保管することも容易ですし、低身長から高身長までの対応幅が広いなど、大径車では得られない独自の魅力があります。

あなたが今乗っている小径車の走りに不満があれば、チェーンホイールの交換を行ってみてはいかがでしょう。交換したその日から、走りの違いが体感いただけますよ!

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