ゆるキャンとバイクパッキングブームの相乗効果は何をもたらすか

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空前のアウトドアブーム

2016年頃からはじまった空前のアウトドアブームは、今なお飛ぶ鳥を落とす勢いで拡大中。これが業界全体の認識で間違いなく、各ブランドの新製品発表会は大盛況。新たなアウトドアイベントが各地で催され、グランピング施設も盛況です。シーズン中のオートキャンプ場も、連休の予約ともなれば、予約解禁の当日9時からキャンプ場に電話やネット予約が殺到する状況です。

キャンプの本質とSNSの相乗効果

ここまでキャンプ人気が拡大したのは、人から人へと輪が広がっていくキャンプというアクティビティの本質に加え、そこにSNSという最新のコミュニケーションツールが相乗効果をもたらした結果だと考えられます。これまでもブログという形態で、キャンプやキャンプ道具、道具のDIY、キャンプ場レポートなどのレポートは多く見ることはできました。

しかしブログというツールは、偶然目にするという機会を創出することはできず、また人がなにか(ここではキャンプを)始めたいという衝動を与えるには、冗長で瞬発力が不足していました。

SNSとグランピング

SNSのインパクトは強力で、キャンプがもたらす楽しい場の空気を伝えるには、たった1枚の写真で十分でした。モノを持たない時代、ミニマリストといった言葉に代表されるように、現代は「モノ」より「コト」が重視されます。その最たる例が、グランピングです。

グランピングとは、テントの設営や食事の準備を必要としない体験型のアウトドアアクティビティです。キャンプの楽しさを、SNSや口コミを通じて知ったものの、キャンプ用品はない、クルマもない、という十分予想が可能なキャンプを始める最初の壁を土壌として誕生したサービスと言えます。そしてその体験が良いものであれば、またSNSを通じて多くの人に届き、さらなる相乗効果となっていきます。

ブームとその終焉

速いスピードで伝播したものは、速いスピードで終焉を迎えるのは世の常です。しかし、アウトドアやキャンプが本来持ちえる楽しさは、一過性のブームではありません。これまでも先人たちによって育まれてきたアクティビティです。ブームをきっかけにアウトドアやキャンプの魅力を知り、さらに深くのめりこんでいく人も多くいるはずです。

では、なにがブームになり、終焉をむかえる可能性があるのか。それは、「楽しければ何でも良い。」という消費者ニーズの受け皿として、アウトドアやキャンプが利用される場合です。消費者が欲っするものが「楽しさ」である場合、アウトドアやキャンプ以外にも、それを満たすものはすでに多数あり、また新たなサービスが続々と生まれてくるはずです。

心を動かす丁寧で魅力的な描写

この記事を読んでいる人のほとんどが、ゆるキャンを読んだことがある、見たことがある、あるいは聞いたことがあるはずです。念の為かいつまんで説明すると、「ゆるキャンとは、登場する女子高生たちが、キャンプを計画し、道具や機材を調達し、自然を満喫し野外調理をしながらキャンプを行い、ときにはご当地の温泉やグルメを楽しみながら交流する姿を描く日本の漫画」です。

キャンプには多数の魅力があります。いつ行くか、誰と行くか。どうやっていくか。場所や時期、標高によって、気温を考えた服装や寝袋を選択する。調理はどうするか、献立はどうするか、食材はどうするか。そういった計画をたてるところから、さらに言えば計画をたてようとするところからキャンプは楽しいのです。そこに、一人であるかグループであるかはまったく関係がありません。

そういった「楽しさ」は、SNSを通した「結果としてのアウトドア」では十分に伝えることは困難です。それに対してゆるキャンは、計画や道程、キャンプ場、観光地、調理、さらには道具に至るまで丁寧に描写することで、読む者・見る者をよりディープなアウトドア体験に誘う魅力をもっているのではないかと考えます。

 

自転車ブームとその終焉

冒頭からアウトドアについて言及してきましたが、自転車にもかつてブームがありました。今からおよそ10年前、世はまさに自転車ブームの真っ只中、中高年を中心にスポーツタイプの高級自転車が飛ぶように売れ、ツーキニストという言葉が飛び交いました。ブームのきっかけは、エコとメタボ。メタボリックシンドローム(メタボ)や二酸化炭素削減(京都議定書)という言葉が、TVや雑誌で波のように押し寄せ、それが自転車ブームにつながっていったのです。ブームは緩やかに続き、2011年の大災害後にピークに到達しました。万が一を考え、普段の通勤手段を電車から自転車に切り替える人が、都市部を中心に増えたのです。

しかし、自転車ブームはほどなく終焉を迎えます。しかし、この自転車ブームをきっかけに「自転車をスポーツとして楽しむ人」が増え、自転車趣味にかける時間や一人あたりの消費額が増加する結果をうみました。自転車をディープに楽しむ人の増加と時を同じく発生したアウトドアブームは、結果として自転車ツーリング・自転車キャンプというアクティビティに昇華され、2016年頃から世界的なムーブメントにつながっていきます。

 

バイクパッキングとは

バイクパッキングとは、キャンプに必要な衣食住を詰め込んだ大容量バッグを、いつものスポーツバイクに取り付けることで、自転車を改造することなくキャンプツーリングを楽しむスタイルを指します。バイクパッキング登場以前、自転車にキャンプ用の荷物を積むためには、大型のキャリア(什器)を自転車の前後に取り付ける必要がありました。この場合、自転車がキャリアを増設することに対応しているかどうか、普段自転車を使用するときには重量の増加を忌避してキャリアを外したい、という2つの問題がありました。

国土の多くを舗装路が占めているこの日本では、マウンテンバイクよりもロードバイクのほうが圧倒的に需要が多く、そのロードバイクの多くはキャリアの増設に適さない、ダボ穴がない自転車です。加えて、バックカントリーを何日も走行しながら、適切な場所を探していく欧米のスタイルに対し、舗装路を走行しながら予め予約したキャンプ場に宿泊するというスタイルが日本では一般的です。(私有地、公有地にかかわらず、所有者に無断でキャンプを行うことはできません。)

このように、日本ではロードバイクが人気であり、しかしキャリア用のダボ穴がないという下地の上に、改造する必要がないというパッキングスタイルの登場が、キャンプ人気に拍車をかけることになったのです。

 

ゆるキャンとバイクパッキングがもたらすもの

ゆるキャンによって、アウトドアやキャンプに興味を持った人、是非自分もやってみたいと思った人は多いはずです。しかし、一緒に行く人がいないと悩んでいるのではないでしょうか。そのようなことは気にする必要はありません。ゆるキャンを通じて感じた魅力は、一人でも十分体験できるものであり、また体験を通じて出会い、広げていけばよいのではないでしょうか。まずはソロキャンから始めることをおすすめします。

バイクパッキングであれば一人で始めることができ、キャンプ道具を自転車に積載しキャンプ場まで移動することができます。クルマも免許も必要ありません。そして、自転車を専用の袋にいれて運ぶ「輪行」を併用すれば、遠くのキャンプ場や観光地まででかけることができます。

さあ、そろそろバイクパッキングで、魅力的なキャンプをはじめてみませんか?

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